坂井輪診療所

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百日咳かもしれない

2019/11/14
[ 内科の病気 ]

風邪かな?咳が止まらなくてつらい。いつもの市販薬飲んだけど、だんだんひどくなってくる。でも熱はないし、もう少しがまんすれば治るかな?みなさん、こんな経験ありませんか?そんなときは、がまんせずに医院にかかりましょう。

外来での一幕。70代女性。
X-18日 咳、嗄声、黄色痰で初診。体温35.2℃ 発熱はないけど急性気管支炎の初期かな?悪化しないように抗菌剤と去痰薬など処方。
X-9日 咳が出始めると止まらない。会話の後にとまりにくく嗄声もよくならない。痰はでなくなった。体温35.3℃ 急性期は過ぎたようだし痰も出なくなったし、咳喘息かな?気管支拡張剤を吸入したら少し楽になったというし、アレルギーの検査をしてみよう。
X日 まだ咳が止まらないんです。あることに気づいた。胸部レントゲンを撮ったら肺が十分膨らんでいない、もちろん肺炎はない。アレルギー検査は正常。診察室で咳き込んだ後に妙な音がする。息を吸うときに狭窄音?えっ?こんな高齢者にまさか?

もちろんクラリスロマイシンを処方しました。患者さんは徐々に咳が軽くなり、息も十分吸えるようになり、もとどおりの話好きな元気なおばあちゃんにもどりました。検査結果は想定以上  抗PT IgG抗体>100  で確定診断です。発作性の咳き込みの後の吸気性喘鳴を「スタッカートウープ」といいます。

70歳を過ぎると「百日咳」の抗体価が低下する

なぞは解けました。というよりわたしの勉強不足でした。百日咳はこどもや若者の病気だと思い込んでいました。しかし 2013年度の百日咳感受性調査で明らかです。7都道府県1308名の抗体検査によると、70歳を過ぎると抗体価が低下するんですね。先のおばあちゃんはどこで感染したのか?聞いてみると、受診の2週間前は温泉旅行中でした。同室の方が風邪をひいて声が出なくなっていたそうです。

4~7歳の「百日咳」抗体価低下に注意

以下は引用です。
乳児の発症防御レベルとされる10 EU/mL以上の抗PT IgG抗体の保有率についてみると, 0-5か月では33%であったが, 6-11か月で93%に上昇した。1~3歳は50%前後(41~57%)の抗体保有率であったが, 4~7歳は40%未満(26~38%)に低下した。以降, 加齢とともに上昇傾向がみられ, 8~10歳は50%前後(43~54%), 11~16歳は概ね60~70%台(57~75%), 17歳以上は概ね70~80%台(65~88%)の抗体保有率であった。

2013年度の百日咳感受性調査において, 抗PT IgG抗体および抗FHA IgG抗体の保有率は0-5か月児から6-11か月児に上昇がみられ, これは百日せき含有ワクチンの1回以上接種率の上昇に加え, 第1期初回3回接種の完了者が増加したためと考えられた。また, 4~7歳でみられた抗体保有率の低下については, ワクチン接種後の抗体価の減衰が考えられた。以降の年齢で抗体保有率が上昇しているが, わが国の定期接種の制度では7歳半以降に百日せき含有ワクチンの接種機会はないことから, 自然感染による抗体保有率の上昇が考えられた。 ://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2404-iasr/related-articles/related-articles-444/7080-444r05.html

出典元:百日咳の抗体保有状況および乳幼児の百日咳予防接種状況の推移―感染症流行予測調査より https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2404-iasr/related-articles/related-articles-444/7080-444r05.html
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