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飲酒と喫煙で食道癌・咽頭癌が50倍に増える

2019/11/21
[ 内科の病気 ]

昨夜、新潟市西区で開業されている消化器内科専門医の先生方の勉強会。テーマは「中下咽頭癌の発見と内視鏡治療」 講師は長岡赤十字病院の消化器内科部長T先生でした。目の覚めるような内視鏡画像、そしてエレガントな内視鏡手術に仕事の疲れが吹っ飛びました。

驚いたことに、咽頭癌の多いこと、男性に限って言えば、死亡率で食道癌の半分。口腔・咽頭癌と食道癌をあわせると、胃癌のほぼ半分になります。これは新鮮な驚きでした。なぜなら、日頃内視鏡検査をしていても、咽頭癌にはめったにお目にかからないからです。

ということは見逃している? いや喉に違和感があれば耳鼻科に受診するから、胃内視鏡検診で出会うことは少ないではないのか? ところが、極めて早期の咽頭癌を見つけるためには自覚症状のないうちに、つまり、やはり胃癌検診で見つかっているのです。演者が初めて出会ったという症例は、わたしが数年前に出会った症例とそっくりで、そのときわたしは耳鼻科に紹介しましたが、再検査しても見つけてもらえませんでした。

早期発見のためには、可能な限り解像力の良い内視鏡(どうしても太くなります)で検査をした方がよいのです。しかし楽な検査のためには、少しでも細いファイバースコープがよい、しかし細い内視鏡の先端CCDカメラはどうしても小型にならざるを得ません。楽な検査と検査の精度は必ずしも相関しません。

もちろん耳鼻科専門医の検査精度を否定するつもりはありません。上咽頭癌は経鼻内視鏡でないと発見できませんし、なにより楽な検査なら繰り返し何回も受けられます。しかし咽頭癌の発生部位は下部咽頭に最も多く、胃内視鏡検査の際にていねいにみてもらうことはやはり有用です(ただし嘔吐反射を多少がまんしていただかなくてはなりません)

出典元: 部位別のがん死亡率(1年間に人口10万人あたり何人死亡するか)2017年 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

したがって、最も重要なことは道具ではないのです。検査医が病気を見つけようという強い意志をもって、ていねいにまんべんなく観察すること。喉の中で長い時間、ファイバースコープが動き回るのはたいへん苦痛ですが、とくにリスクが高いと思われる患者さんの場合は、ある程度、苦痛をがまんしていただきながら頑張っていただきたいのです。これまで咽頭癌は耳鼻科領域の疾患でしたが、これからは早期発見のために消化器内科医もがんばらねばなりません。

喉に違和感のある患者さんはもちろんのこと、その部位をしっかりと検査医に伝えてください。また自覚症状がなくとも、飲酒・喫煙歴があるだけで、50倍も咽頭癌が発生するのだそうです。もちろん食道癌のリスクも同様に高くなります。胃癌検診のための内視鏡検査ですが、咽頭や食道も同時に観察できます。飲酒・喫煙歴のある患者さんは、検査の際、是非お申し出ください。

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