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耐性黄色ブドウ球菌で4224人、耐性大腸菌で3915人が死亡

2019/12/7
[ 内科の病気 ]

12月5日、日本ではじめて 薬剤耐性(AMR)による死亡者数の調査結果が発表されました。 国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター(厚生労働省委託事業)では、薬剤耐性(AMR) 対策に関するさまざまな研究を行っています。当センターが国立感染症研究所 薬剤耐性研究センターとともに 行った研究について、研究成果を発表しました。 http://amr.ncgm.go.jp/pdf/20191205_press.pdf?fbclid=IwAR3cUlgFRG7x30_FGwAFyavYw_72C7S9Q0P2KNOhECcjnkLFv0iap6fjlBw

膀胱炎の最大の原因は大腸菌 しかし4割にクラビットが無効

膀胱炎の起炎菌のほとんどは大腸菌です。その大腸菌によって命を奪われる患者さんが急増しているということに驚きました。いまや耐性菌の代表格だったMRSAを上回る勢いです。膀胱炎の特効薬としては、まずレボフロキサシン(キノロン)が処方されます。しかしそれが効かなくなってきているのです。

すでに2018年厚労省は、大腸菌のレボフロキサシン耐性率が40.1%に上昇したことを報告しています。 https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000369449.pdf
ではセファロスポリン系は? セフォタキシムでさえ耐性率26.8%、セファゾリンに至っては耐性率37.3%です。こんな時代が来ていることをだれが想像したでしょう。

風邪ウイルスに抗菌剤をつかうのは「無益」であり「有害」

このように薬剤耐性菌が急増した理由のひとつが、抗菌剤の不適切使用ということにあります。細菌感染ではないのに(風邪ウイルスに抗菌剤は無効)処方する、あるいは患者さんが欲しがる。また細菌感染に対してはしっかり治療しないといけないのに、よくなったと自己判断で中止する、このようにして耐性菌が増えていくのです。もちろん自然発生的に、細菌は突然変異を起こし、一定の割合で耐性菌を生み出します。しかし適切な使用を守れば、耐性菌の増加を予防することができるのです。

さらにペニシリンだけでなく、多くのセファロスポリン系抗菌剤をも分解するβラクタマーゼという酵素をもった細菌が増えています(ESBLs)。しかし日本だけの話ではありません。日本ではまだ大腸菌の2割未満ですが、中国・ベトナム・インド・ロシアでは6割を超え、パキスタンでは8割以上となっています。これらのほとんどがキノロン耐性ですから、これらの国では切り札としてのカルバペネム系の使用量がどんどん増え、カルバペネム耐性菌が増えていると言われています。 またアフリカや南米の多くの国では薬剤耐性菌のサーベイランスすら十分には行われておらず実情がよくわからない状態のようです。

将来、薬剤耐性菌による感染症死亡が癌死を上回る

将来、薬剤耐性による死亡者数はがんによる死亡者数を上回ると予測する専門家もいるほど事態は深刻であり、日本も例外ではないと指摘されています。わたしたち医師は、もっともっと抗菌剤の使い方に習熟し、ていねいに患者さんに説明しなくてはいけないと実感しました。http://www.medsafe.net/cms/mt-search.cgi?ncludeBlogs=2&tag
=%E6%84%9F%E6%9F%93%E5%AF%BE%E7%AD%96&limit=20&blog_id=1

出典元: MRSAおよびFQRECによる菌血症死亡数(推定)の推移
http://amr.ncgm.go.jp/pdf/20191205_press.pdf?fbclid=IwAR3cUlgFRG7x30_FGwAFyavYw_72C7S9Q0P2KNOhECcjnkLFv0iap6fjlBw
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